2014年12月8日月曜日

僕が参考にしている料理本

僕が参考にしている料理本について少し書いてみたいと思います。


自己紹介でも書いたように、僕はもともと料理が好きだったわけではありません。精神的に追い込まれて相当アレだったときに、「他のことはすべて放棄しても、生きていくならば食事はどうしても避けられない。それなら、ちゃんと向かい合って美味しいものを食べよう」と思ったのが料理をするようになったきっかけです。


そんなわけですから、料理経験が豊富なわけでもなければ、料理について特別な知識があるわけでもありません。いざ、ちゃんと料理しようとしても何をしていいのか分からず、途方に暮れてしまいました。



こういった場合、最近よく聞くのは「とりあえずクックパッド見ればいいだろ」という言葉ですね。


確かに、ネットを見ればレシピは簡単に手に入ります。レシピ本を図書館から借りてきても良いでしょう。しかし、ネットに溢れるレシピは浜の真砂のようなもの。これらをひとつひとつマスターしていくのではキリがない。さらに言えば、レシピをコピーして料理をしたところで何になるのか。人の作った味をなぞっていくだけではないか。自分の創意工夫が入らないのは面白くない。


だからといって自己流でがんばるだけでは美味しい料理は作れません。確か、僕が初めて一人暮らしで料理をしたときはベーコンと卵を重ねて焼いたんですが、これが不味くてねえ。何も考えないでフライパンに卵とベーコンをガンガン流し込んだから中の方は全然火が通ってないの。馬鹿だねえ。


まあ、普通に考えれば「基本的なレシピに従って料理をしながら、だんだんコツをつかんでアレンジすればいい」ってだけなんでしょう。しかし、精神衰弱に陥っていたのでそんな無難な発想はできなかったのです。考えが極端から極端に走ってしまっていたというか。



そんな悶々としていた僕を救ってくれたのがこの本でした。




この本の序には以下のような言葉があります。
「調理学習は理論に基づいて、その要点を把握するのが、調理技術を身に着ける近道であり、学校における調理学習の真のあり方である」

まさに僕の求めていたものズバリだと思いました。僕はこまごましたレシピではなく、要点が知りたかったんですよ。要点さえ押さえれば、あとはアレンジで多彩な料理を作れるし、自分なりの工夫を加えることもできる。

この本の初版が出たのは昭和48年で、改訂を重ねたとはいってもいかんせん古いんじゃないのかと思うこともあります。また、化学式などが出てくるとチンプンカンプンでお手上げになってしまいます。

そういう欠点はあるかもしれませんが、僕が料理をするときに困ったことがあったら、すぐこの本を見て、ヒントをみつけて料理をしています。馬鹿なので、本当に書いていることを理解して料理をできているのかは怪しいですが。


なお、著者の一人の山崎清子先生が亡くなった際に、改訂を担当していた下村道子先生が悼辞を書いています。これは日本調理科学学会誌vol38で読めます。ciniiでオープンアクセスになっているので暇な人は読んでみてください。研究と教育にかけた情熱の結晶がこの本であるのだなあと僕は感動しました。


以上、アマゾンのカスタマーレビューに「合コン時の友達作りのツール程度の本」などと書かれているのを発見して、怒りで鼻から血が吹き出しそうになるのをこらえながらの紹介でした。

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